実用的に歩けなくても、介助で歩く事で得られる事がある

ご家族様よりご症例紹介のご承諾をいただきましたので、治療の途中経過を掲載させていただいております。

 

脳卒中(皮質下出血)後、半年経過して運動麻痺が残ってしまった80代の女性にご利用いただいております。

訪問当初施設へご入所されていたので訪問にてご利用いただいておりました。

初回訪問時、高次脳機能障害・右側の運動麻痺が見られ、体幹機能も低下している事で1人で座る事が十分に出来ず生活全般に多くの介助が必要な状況でした。

 

評価の結果、
高次脳機能障害によりご自身の”からだ”の状態を把握・認識できていない。
また、介護が必要な理由として日頃から動く機会が少ない為に廃用症候群による筋力低下も大きいと判断しました。
最後に、ご本人に目標を聞いたところ、歩けるようになりたいとのご希望がありました。ご家族からは、トイレに行けるようになってくれたら同居したいとご希望いただきました。

 

総合的に検討した結果、

まずは高次脳機能障害への介入を中心に行う事にしました。

ご自身の体に興味を向けてもらうため、私の介助のもとでご本人がやりたい運動をしてもらう事とし、ご希望の歩行練習から運動を開始しました。

(場合によっては歩行練習をする事で、お体にマイナスの影響が強く出る事もあります。その方の状況によっては別途提案させていただく事もございます。)

歩行練習を行いながらご本人と体の状態を確認し合い回数を繰り返していった事で、ご自身の足や体幹への意識も徐々に向くようになってきはじめました。

各部に意識を向けられるようになってきてからは、認識状態に合わせて徐々に身辺動作や介助量を減らした様々な運動も取り入れていきました。

 

2024年11月現在で、週1回ペースで約1年ほど介入させていただき起き上がりなどの起居動作や車いすへの乗り移り、トイレ動作が手助けせず見守りするだけで行えるようになってきました。また、その他の動作も軽介助で行える動作が増えてきています。

 

今回、最初に行なった・歩くと左の腰が痛く体が傾く練習は”歩行できるようになる”事を目的とした場合、初回時点では間違った練習と捉えられる可能性もあります。

ただ、今回のようにご本人に体への興味を持ってもらうモチベーションを生み出す練習として取り入れる事は必要と私は考えております。(ご本人の内科疾患や精神状態にもよります)

何よりも、本人さまが変りたいという気持ちを生み出す事も私達の役割と考えています。

 

動作能力が向上した事でご家族も同居出来るかもと前向きに捉えてくださり、現在はサービス活用しながらご家族のお世話のもとで同居されています。

 

現在も当店をご利用してくださっており、ご本人・ご家族様・ケアマネジャー様と都度相談しながらリハビリを進めています。

 

 

この度、ご家族様とケアマネジャー様から当店へのご感想いただきましたので、掲載させていただきます。

<ご家族様より>

 

<ケアマネジャー様より>

 

<私達>

現在日本では、公的保険制度の兼ね合いで病院で最大限に生活能力が向上するまで入院する事ができません。

病院スタッフもご本人様が元気になるまでサポートしたいと言う思いは常々持たれていますが、国の制度上早期に退院先を決めてその為に必要な事を最優先しなければならない状況になっています。

病院のスタッフさんも最後までサポートしたい想いはあれど実施できない辛い現状だと思います。

 

当店は、保険外でのサービスのため本人・家族が希望する目標を一緒に目指す事ができます。また、病院スタッフさん等の想いの一部でも一緒に実現していけるようにしていきたいとも考えております。

 

お客様には保険内で行えるサービスを最大限に活用していただきながら、保険で補えない部分を当店がサポートしていけるように今後も尽力して参ります。

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